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Anticoagulation with Edoxaban in Patients with Atrial High-Rate Episodes

NEJMより"Anticoagulation with Edoxaban in Patients with Atrial High-Rate Episodes"。

Background:植え込み型デバイスは心房細動の発見をより容易にするが、デバイス植え込み患者ではsubclinical atrial fibrillation or atrial high-rate episodes (AHREs)とよばれる一過性の心房性頻拍エピソードが10-30%に記録されるという。脳梗塞のリスクありの患者に対してAHREに対してDOACを使用する医師もおり、DOACの有用性を明らかにするためにNOAH-AFNET6 trialを計画した。

Method:Double-blind,ランダム化比較試験。65歳以上、心電図で心房細動の記録がなく、ペースメーカー、ICD or CRTD/PまたはILRが植え込まれており、2か月以内にAHREが指摘された患者。AHREは心拍数170以上で、6分以上(上限はなし)持続したものと定義した。患者条件としては以下のうちいずれか一つ以上の脳梗塞リスクを有するかもしくは75歳以上。:心不全、高血圧、糖尿病、脳梗塞TIAの既往、心血管疾患の既往。除外基準:心電図でのAFの検出、30日以内のACSPCI、CABG。予後1年未満。DAPT中など。Edoxaban or placeboに1:1で振り分け行った。
Primary efficacy outcomeは心血管死、脳卒中、塞栓症の複合。Primary safety outcomeは全死亡、大出血の複合。

Results:Edoxaban群1270名、placebo群1266名。
平均年齢78歳、37%が女性。植え込みデバイスは8割がペースメーカーであった。AHREの持続時間の中央値は2.8時間。CHAD2VASc scoreの中央値は4点。ランダム化時点でのバイアスピリン内服の適応は25%程度にあった。

安全性への懸念と、edoxabanの無益性評価の結果に基づき、追跡期間中央値21ヵ月の時点で試験は早期に中止された。
Primary efficacy outcomeに関してはエドキサバン群では1,270例中83例(3.2%人年)に、プラセボ群では1,266例中101例(4.0%人年)に発生した(HR 0.81;95% CI 0.60~1.08;P=0.15)。Primary safety outcomeに関してはエドキサバン群では1270例中149例(5.9%人年)に、プラセボ群では1266例中114例(4.5%人年)に発生した(HR1.31;95%CI 1.02〜1.67;P=0.03)
Secondaryでは脳梗塞はedoxaban群で22名(0.9% 人年)、placebo群で27名(1.1% 人年)であった。塞栓症との複合でも25人(1.0%人年)vs38人(1.5%人年)、hazard ratio 0.65 95%CI 0.39-1.07と差はつかず。大出血は53人vs25人でhazard ratio, 2.10; 95% CI, 1.30 to 3.381とDAOC群で有意に増加。

 今回の結果からはデバイスで指摘されたAHREに関しては抗凝固療法のbenefitはなし。ただ脳梗塞の発生数が1%人年と患者背景のわりにかなり少なめだったとのこと。AHAのlatebreakingでは持続時間が長さとDOACの有効性には交互作用はなかったらしいです。デバイスで発見されたAFに関してはARTESIA trial(Apixaban for Stroke Prevention in Subclinical Atrial Fibrillation | NEJM)がAHAで発表されてましたが、こちらも読もうと思います。

Anticoagulation with Edoxaban in Patients with Atrial High-Rate Episodes | NEJM